利根川本流

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2001年10月6日〜8日  参加者3名 

コースタイム

6日  バックウォータ(8時10分〜8時55分)〜雨量計付近で入渓(9時30分〜9時50分)〜シッケイガマワシ上(10時25分)〜越後沢出合(11時55分)〜牧ヶ倉沢(14時10分)〜滝ヶ倉沢出合(15時15分)


7日 BP(7時55分)〜裏越後沢出合(9時20分)〜深山滝上(16時00分)


8日 BP(7時20分)〜稜線(9時20分)〜避難小屋(9時35分)〜林道(12時10分)

ルポ


6日 曇り時々晴れ


八木沢ダムより奥利根湖をモータボートで渡った。小穂口沢が出合うところが、バックウォータになっていた。我々が着いた時には、沢装備を身に付けた3人組パーティーが、まさに出発しようとしていた。


我々が準備していると、モータボートが一台やって来た。ボートを操縦している人は、ガイドなのであろうか、ハイカーみたいなお客を数人連れていた。彼に声を掛けられたので、2泊で本流に行ってきますと答えると、「強いね、がんばって下さい。」と言ってくれた。また、雪渓は既にないとも付け足してくれた。僕は、この最後の言葉で、随分と元気付けられた。


本流と小穂口沢の間にある尾根道に取り付いた。30分ほど行くと、地図にある雨量計の近くだと思うが、道が沢から離れ始めたので、ここから沢におりた。降りた所には水位計みたいな設備があった。


広い河原の流れを右に左にと渡りながら歩いて行くと、ちょっとした淵が出てきた。右岸から巻いていると、人の声が聞こえた。先ほどの3人パーティーであった。言葉を交わしてみると、「トマの風」の人達であった。剣ヶ倉沢にいくそうである。我々が本流にいくと言うと、「さがみ」の人ですかと聞いてきた。なんで知っているのかと不思議に思ったが、我々の計画は、うちの会報を見て知っていたみたいである。


大きな釜を持った滝で我々が濡れ鼠になって苦労しているのを横に見て、トマの人達は、右の巻き道からあっさりと通り過ぎていった。それっきり彼達とは、会うことはなかった。

強い流れが続くシッケイガマワシは、左側をへつた。特に難しい所ではないが、落ちたら大変なので、慎重に通過した。

シッケイガマワシをやり過ごした所で、少し休憩し、今回始めての写真を撮った。これ以降は、大した悪場もなく、3時過ぎにビバーク地に予定していた滝ヶ倉沢出合に着いた。


7日 曇り時々晴れ


オィックイには、一箇所、雪渓の残骸が残っていた。この辺りは複雑な地形となっているので、雪渓で埋まっていたら、苦労するであろうことが容易に推測できた。


二俣になっている所で、どちらに進むべきか少し迷ったが、水量の違いと地形図の照らし合わせで、左側の沢が裏越後沢であることを確信し、進路を右に取った。ここまでは、滝らしい滝はほとんど出てこなかった。


利根川には滝はないのかなあと、少し拍子抜けし始めた時に、突然いきなり大きな滝がでてきた。これがまさしく魚止めの滝というのであろう。魚が登れない滝は、我々にも登れそうにないので、左から巻くことにした。これを境にして、今までと打って変わって、利根川は滝の多い沢に変身した。


丹後コボラ沢出合の所に掛かる滝を右から巻くと、水量豊富な大利根滝が見えて来た。滝下でしばらく休んでから、右の壁に取り付いた。ホールド、ピン共に多く快適だった。

人参滝は左からまき気味に登った。その上の深山滝は、少し手強そうに見えたので、左側のルンゼから巻くことに決め、釣さんが先行するも、岩が脆く、おまけに上部には手がかりもなく、巻くことはできなかった。仕方なく、滝下まで戻って、水流の左側に取り付いてみたが、登ってみると意外と易しかった。

深山滝から僅かな距離を置いて赤沢滝がでてきた。時間が遅かったので、今日は滝を越えるのを止めて、少し戻った所にツェルトを張った。


8日 霧後晴れ


朝一の滝登りは、何時もは、身体が硬く緊張するのだが、今日は、遡行が比較的順調にできていたためか、気持ちも身体も軽かった。


水上滝を過ぎ、さらに、一つ滝を過ぎると、利根川も単なる水の流れる窪となった。やがて、あれほど多量にあった水も涸れて見えなくなり、沢も草付きに吸収されてなくなった。


 登山道に立ったとき、時計はちょうど9時20分を指していた。辺り一帯には霧が立ち込めていて何も見えなかったので、3人でガッチリ握手を交わしただけで、すぐに仲間の待つ避難小屋に向かった。

信州の山遊び

写真

写真1

写真2

写真3

大利根滝

深山滝