大鳥川滝ノ沢左俣

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2001年10月20日〜21日 参加者 4名

コースタイム


20日 晴れ
仕入沢遡行開始(8時30分)〜尾根上1030m付近(10時35分)〜大鳥川(13時10分)〜滝ノ沢出合(14時25分)


21日 曇り
滝ノ沢遡行開始(7時20分)〜二俣(9時15分)〜未丈ヶ岳(13時50分)〜泣沢ゲート(16時20分)

ルポ


20日

国道352号線から奥只見シルバーラインに入ると、ほとんどトンネルの中を走るようになる。湯の沢トンネルの中程にさしかかると左側に泣沢避難口のシャッターが見えた。シャッターを開けると外は広い広場になっていた。そこに、松田さんの自転車をデポして、仕入沢に向かった。

仕入沢出合ではトンネルが切れていて、道路の両側がやはり広い広場になっていた。計画では、奥只見ダムから先が通行止めと言われていたので、ここから入山することになっていた。しかし、奥只見ダムから林道を抜けて直接大鳥川に行ければ、時間的に断然有利になるので、念のためにダムまで行って確かめてみた。が、やはりダムから先は猫の子一匹通さないと言うことなので、予定通り仕入沢から入渓することとなった。


 仕入沢出合はダムのようになっていたので、朝から冷たい水と付き合わされるのかと、少し気分は憂鬱であったが、幸いにして、道がダムの上まで続いていたので、とりあえずは、冷たい思いをしないですんだ。

仕入沢には人があまり入っていないだろうと思っていたので、赤札を見つけたときには、意外であった。どんな人が入っているのかと興味があったので、三井さんが札を手に取ったときに、書かれている文字を見た。そうしたら、「ローマン」と書かれていたので、「ふうーん」と妙に納得してしまった。

沢それ自体は、特に難しい所はなかったが、詰めに来てからは疲れた。尾根には10時半頃出た。急ぐこともないので、道のない尾根に腰を下ろして、しばらくボートとしていた。こうしていると、世の中の煩わしい事も忘れることができ、心が平安になる。


尾根に出てからは、大鳥川目指して反対側にある沢を下降した。途中で、懸垂が三回あったが、問題なく川に降り立つことができた。

大鳥川は開けた川である。魚がいれば、フライフィシングが楽しめるであろう。ここより下流に向かってしばらく行くと、左手に滝ノ沢が見えた。この辺りはどこでもテン場になるが、出合いの少し下流側にツェルトを設営した。幕営地の周りには、大量の薪があったので、盛大な焚き火ができた。


21日


 滝ノ沢は平瀬で始まっていた。水が少ないように見えたので少しほっとしたが、すぐに、淵がでてきた。幸い右側が簡単にへつれたので、寒い思いをしないですんだ。この先にある大釜を持つトイ状2m滝は、右側の岩から巻いた。この岩の上の方はリッジになっていて、岩登り感覚が味わえて楽しかった。これ以後、二俣までは、滝もなく平凡なゴーロ歩きが続いた。


二俣で少し休憩してから左俣に入った。沢はすぐにゴルジュになり、滝が次から次へと出てきた。ここまでは、水を浴びることはなかったが、くの字8m滝のシャワークライミングで、すっかり濡れてしまった。


滝を落とす枝沢を右に分けると、二度目のシャワークライミングである。滝に流木を立てかけて、それを利用し、水を浴びながら登った。このシャワーで体がすっかり冷えてしまい震えが止まらなくなってしまった。

2段8m滝は上部が登れないので、1段目を越えてからは、少しかぶった右壁をザイルを使用して登り、潅木伝いにトラバースした。ゴルジュが終わる辺りまで来ると、捨て縄があったので、そこから懸垂で沢に降りた。


ゴルジュから開放されて、身体にお日様があたり始めると、すぐに体が温まってきた。太陽の日を浴びながら、すっかり平凡となった流れを辿ると、やがて水が無くなり、涸滝が出てくるようになった。


ボロボロの滝を右から巻き、なだらかな草付きを少し登ると、突然綺麗な草原にでた。感動的なフィナーレである。そこからほんの少し登ると未丈ヶ岳の山頂にでた。


山頂からは、泣沢に至る登山道が一つ付いているだけであるが、道は整備されていて歩き易かった。越後の秋の山は始めてであるが、紅葉が非常に鮮やかなのが印象的である。尾根から降りると沢沿いの道となるが、ここもまた、気持ちの良い所である。何度か渡る小沢はどれもほどよい水量を保っていて、それが紅葉とうまく調和していて、日本的な美を表現していた。時間があれば、ゆっくりしたい場所である。

 泣沢ゲートには4時20分に着いた。これから車を回収しなければならないので、松田さんがトンネルの中自転車をこいて、泣沢に向かった。一方、それとは別に、ダム方面に向かう車を掴まえて時間短縮を計る作戦も考えた。トンネルのなかで、中島さんがヒッチハイクの真似をした。車はなかなか止まってくれなかったが、それでも、なんとか車一台ゲットすることができた。この親切なドライバーのお陰で予定より短い時間で、車を回収することができた。

信州の山遊び