外山沢川 緑沢(春沢集中)

2001年5月19日〜20日 参加者 4名

ルポ

19日 晴れ後曇り時々雨
 赤沼茶屋から歩き始めた。8時頃に、外山沢川に掛かる橋に着いた。赤岩沢パーティーとはここで分かれた。橋から沢に降りて、河原を1時間ほど歩くと、左岸にガレ沢が見えた。これが緑沢らしい。広い河原を行く庵沢組を横目に見て、我々四人はガレ沢に足を踏み入れた。


伏流帯を過ぎると少量の水が出てきた。沢が少し右にカーブしているところで、前方を見上げると、沢床が雪渓で埋まっていた。これを見て先行きが心配になったが、これは支沢だった。本流は右側から滝となって流れ落ちていた。この滝は少し手前にあるルンゼから巻くことにした。巻き道は浮石が多く、スタンスも崩れやすく悪かった。


緑滝は、水流の右側を私がリードした。傾斜が緩く、ホールドも豊富で易しいが、黒い苔が全面に付着していて、滑りやすかった。ブッシュにランニングビレーを取り慎重に登った。すぐ上にも二段の滝があった。一段目の滝は、釣さんが左の草付から取り付いた。釣さんの登る様子からして、草付はあまり良くないみたいに思えたので、残る3人は水流の右横を登った。ここも黒い苔のために、滑り易かった。二段目は、右の乾いた岩から簡単に越えられた。


滝を越えて少し行くと、沢は雪渓で埋まっていた。しばらくの間は、雪渓の上を歩いていた。しかし、下から水の音が聞こえてくるようになり、踏み外す恐れも出てきたので、左の支尾根に逃げた。


尾根に取り付いて間もなく、雨が降り出してきたので、平らな所でツェルトを被って休憩した。雨は段々激しくなってきて、雷も鳴り出してきた。ツェルトの中でじっとしていると、パラパラ音がしだしたので、外を覗くと霰が降っていた。


雨が小降りになってきたところで、再び歩き出した。前白根山付近まで来ると、強い風が吹いていた。前方に白根山が見えた。なかなか立派な山容をしていた。小屋には十六時頃着いた。


20日 曇り後雨
5時に目が覚めた。もう少し寝ていたかったが、白根山に行くことを決めていたので、潔くシュラフカバーから出た。小屋から外に出て見ると、ガスが出ていて、山の上のほうは見えなかった。


適当に道を選んで登って行くと、ガスの中から祠が見えた。最初は、ここが頂上だと思っていたので、百名山登頂の証拠写真を取り、休憩していた。しかし、ガスの切れ目から本当の頂上が右手に見えたので、慌ててそちらに向かった。白根山に着いた頃には、ガスが薄くなっていて、回りの景色が徐々に見えてきた。改めて、周囲を見渡すと、以外に荒々しい山容に少し驚いた。


登ってきたルートを下降していたら、途中で大津さんに会った。五色沼には行かないのですかと聞かれたが、既に百名山に登ってしまっていて、行く理由もないので、「行かない」と答えた。


小屋に戻ってみると、釣さんと奥平さんはまだ寝ていた。4人程いた他の登山者は既に出発していてもう居ない。小屋の中はけだるい空気で満ちていた。しばらくして、さすがの二人も起き出してきて、朝食の準備に取りかかった。メニューは五目焼きそばである。飯を食べ終えて寛いでいると、石井パーティーが来た。彼らの昨日は、盛大な焚き火が出来て、なかなか快適だったそうである。石井パーティーでは、小野君だけが白根山に向かった。


遠くのほうから、叫び声がした。野島君の声みたいである。はたして、松田さんが見えてきた。赤岩沢は、滝の登攀が大変だったらしい。松田さん、佐藤さん、野島君が白根山に向かった。


彼らが、戻ってくるまでには、しばらく時間があるだろうと思っていたが、3人組は、1時間もしないうちに、先に上っていた小野君と一緒に降りてきた。さすがに、足の速い人達である。大津さんは既に戻っていたので、彼らの到着で始めて全員が顔を揃えた。チーフリーダーの釣さんに簡単な挨拶をしてもらい、小屋の前で記念写真を取ってから、湯元に降りた。

 信州の山遊び