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2001年8月4日〜6日 参加者 3名 コースタイム 八月四日 八月五日 八月六日 下部の水量の減少があっても、もう一度歩きたい名渓であった。谷歩きの好きな者にとって赤石沢は利根川本流と同じように是非歩きたい谷で、小さな谷を歩いていた私にとっても、昔からよく山岳雑誌に美しい写真とともに紹介され憧れていた。自分の年齢を気にしながらも、まだ見ぬ谷を遡行したい気持ちを押さえ切れづに入会し、七月末の奥多摩つづら岩と丹波川本流に参加し、あわただしく夏の合宿で赤石沢に入ることになった。前夜本厚木に集合、小雨の東名から畑灘第一ダムに入りテントで仮眠して朝始発の東海フオレストバスに乗る。 8月4日 晴れ 吉田さんがやけに泳ぎたがっている様子で、イワナ淵では泳いで落口に行こうとしたが取り付けづあっさり左から巻く。ニエ淵の入り口の釜は7〜8m泳いで対岸に取り付く。私など昔の人間は谷での泳ぎは極力避けてきたので、釜の中は恐く、なるべく泳ぎなしで行きたい気持ちなのだが。ニエ淵出口の5mの滝も今は水量が少なく、へつりから落口に下降する時に念のため補助ロープを垂らす程度で楽に通過する。残置ボルトが数m上にあり、昔の水量の凄さが窺われる。 遡行記録等を読むと北沢手前の取水堰堤ではバックウォーターを泳いで突破すると書かれているので、泳ぎの苦手な私にはそこが今日の行程での一番の気がかりである。 イワナ淵からニエ淵のゴルジュ、曲り滝そしてネジレ滝まではグリーンの澄んだ水色と共に明るく歩く楽しさに夢中になってしまう。気がかりだった取水堰堤も右側からあっさり巻くことができ安心する。 ここからは水量が多くなり本来の赤石沢らしくなる。目を見はるほどの大岩を持つ滝を2〜3越えるとゴルジュになり、その先にひとつの関門でもあるチョクストーンから二条に水を落とす門ノ滝が出現する。水量も多いため迫力もある。左側から小さく巻けそうなルートも話し合うが、無理せづ白逢沢から高巻くことにする。白逢沢の左側の壁をけっこう高くまで登るので安全のため補助ロープを出した。 門ノ滝上で午後二時を過ぎたので泊り場が気になりはしたが、リーダーの吉田さんはさらに先に進みたがっているようだ。大ガラン手前の大岩にはさまれた5mの滝は、大岩の中に入り暗い隙問から穴を這い登る。残置スリングがないと苦労しそうだ。吉田さんが空身で登りザックを荷上げして穴の出口まで三人が登る。出口から今度は私が空身で右側のスラブ状の壁から上に登った。それほど悪くはないが、一日の疲れが徐々に出ているのを感じた。 心配していた大ガランのトラバースもそれほど危険さは感じることはなく、大ガランの少し先の河原にツエルトを張る。ゴルジュと水の美しさと憧れる谷に緊張しながらも夢中に歩いた一日。そうさせてくれた赤石沢を思いながら一人遅くまで焚き火を燃やし続けた。 8月5日 晴れ 今日の関門は大ゴルジュ帯の高巻である。しかしながら心配するほどの事もなく、下シシボネ沢を少し登ると踏み跡があり、40分程で間の沢の出合の滝のそばに下降することができ少し拍子抜けしてしまう。同時に赤石沢の核心部の通過も終わり気持ちが楽になる。 小雪渓沢の手前でのんびりソーメンを食べながら、吉田さんがしきりに竿を出すがちっとも岩魚は釣れない。赤岩の巨岩帯も明るくて楽しい気分で歩く。 右岸から上部に滝を見せる大雪渓沢を入れガンバ沢手前の大淵を迎える。高巻きが大変そうに思ったが、以前歩いている金井さん,が左側からトラバースして登れると言う。大淵の上の大岩を右側クラックから登るのに少し苦労した程度で通過する。ここから先は奥秩父を思わせる谷の様子で源流域に入った感じになり心が落ち着く。 途中で待望の岩魚も連れ出し、百間洞上部まで登ってしまうつもりであったのだが、午後一時前に奥赤石沢出合の小さな大地にツェルトを張り半日のんびり釣りをすることにする。さっそく奥赤石沢で吉田さんが岩魚を4匹ほど嬉しそうに釣り上げてくる。奥赤石沢は500mほど行くと雪渓とのこと。 午後三時過ぎに男女三人のパーティーが到着し、我々のツエルトの横にタープを張る。一緒に僕らの焚き火で話しているうちに、風来坊の敷島悦郎氏一行だということが解る。林道の通行許可証があるので明日同じような時刻に下山するのなら畑灘第一ダムまで車に乗せてくれるというのでお願いする。 8月6日 晴れ 無事赤石沢を遡行できた満足感もあり赤石岳への足どりは軽かったのだが、山頂から赤石小屋までが思いのほか長く感じられた。牛首峠から敷島氏らのワゴン車に乗り込み、畑灘第一ダムから燃料切れを心配しながら本厚木へ。最終の小田急に飛び乗った。 入会して初めてのメンバーでしたが溶け込んで遡行することができ、リーダーの吉田さんそして何かと気を使ってくれた金井さん、お世話になりありがとうございました。 |
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