笈ヶ岳

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2000年5月5日 L松田 吉田

12日 天候 晴れ

コースタイム

中宮発電所出発(4:30)→山毛欅尾山頂上(6:30)→冬瓜山横(9:00)→笈ヶ岳頂上(11:15)→頂上出発(11:45)→冬瓜山頂上(13:30)→ジライ谷左岸尾根1230メートル(14:45)→ジライ谷出合(15:45)→里野(17:20)

ルポ

 笈ヶ岳は富山県と石川県の県境に位置した山である。明瞭な道がないために、登山は積雪期に限られている。今回の山行は、白山とセットで計画されたものである。

 始めの計画では山中一泊であったが、日帰り登山に変更した。強行軍に変更した理由は、体調不良のため、下で待つことになった本宮さんを、余り長い時間待たす訳にはいかないという松田さんの配慮からである。地図を見たところ、日帰りでどうかと思ったが、まあ、行ける所まで行って来ようということである。

 4時30分に中宮発電所を出発した。山毛欅尾山(ぶなおやま)への登路は、登り始めは導水管と貯水池が出てきて、少し興ざめしたが、それ以降は、人工物で汚されることなく、自然本来の姿を保っていた。道には、雪は殆どなく、カタクリ等の花を見ることができた。途中で、出会ったカモシカはコロコロ太っていた。この辺りの自然の恵みが豊かなことが窺える。朝の冷気が体にしみわたり気持が良い。2時間で、雪に覆われた山毛欅尾山についた。頂上から見る笈ヶ岳は、まだ遥か彼方といった感じである。

 トレースの状態から、すくなからず人の入っていることが分かる。テントが2張り並んでいた。この辺りには、何処にでもテントが張れる場所がある。途中で、下山するパーティーに会った。

 本来のルートは、冬瓜山(かもうりやま)に直登するのであるが、冬瓜山の西側を巻いているトレースが一番はっきりしていた。私たちはそれに従って登っていった。休息をとっていた単独者と4人程のパーティーを横に見て、トラバースぎみに登っていく。この辺りで、私は体調が少し悪くなり、ペースが落ちてきた。少し遅れぎみになる。

 冬瓜山の横で休息をとる。休んでいると、体調が回復してくるのが分かる。先ほどの単独者とパーティーが通り過ぎて行った。ここでは、もう少し休んでいたかったが、先が長いので、腰をあげた。すぐに、前を行くパーティーに追い付いた。脇を迂回して追い越す。トレースは、冬瓜山と一緒にその先のピークも巻いていた。途中、休んでいた単独者も追い越し、稜線に出た頃には、体調もすっかり良くなっていた。

 笈ヶ岳頂上には、数人の登山者が見える。静かな山頂を想像していた私には意外な光景であった。ようやく私たちも頂上である。着いた時には、思わずお互い手を差し出して握手をしていた。つい先ほどまで頂上にいたパーティーが、私たちと入れ違いで、大笠山に向かったので、頂上には誰もいなかった。記念写真を撮ってから、腰を降ろして休んでいると、眠くなってきた。30分ほど休んでいる間に4人の登山者が登って来た。

 帰路は、稜線通しにルートを取った。大分疲れてきていたので、30分程歩くと、体がだるくなり、休息が欲しくなる。

 冬瓜山の頂上が良く見える場所で、Lは、直登するか、巻くか思案していた。直登したいようであったが、アイゼンを着ける場面が出てきそうなので、それが面倒で迷っているみたいである。

 少休止の後、Lは直登ルートを採った。道は、一部狭い所があったが、考えていたほどの危険個所はなく、ザイルはもちろんのことアイゼンも不要であった。

 冬瓜山からどんどん下降していくと、トレースが二つに分かれていた。右に行くものが山毛欅尾山に続くルートである。が、正面のトレースの先にも赤テープが見える。偵察がてらに、赤テープに向かって降りた。先に行っていたLが、右手斜め前方を指して、急降下爆撃と呟いたので、その方を見ると、Lの表現通り、すごく急な角度で高度を落としている尾根が見えた。山毛欅尾山に行くよりも、急降下爆撃のほうが、時間的に相当有利に思われた。私たちは、こちらから下降することにした。

 雪がほとんど付いていないヤブの繁る急坂を木の根や岩屑を掴みながら、クライムダウンを繰り返していく。途中で一度休憩したが、そこで、雪崩の音を聞いた。今日は、天気が良く、気温も上昇しているので、沢筋の雪が緩んで、落ちたのであろう。

 4時前にジライ谷の出合に出た。対岸に休憩所があった。登山は事実上ここで終りである。休憩所からは、人の多い遊歩道を歩いて、車道に出た。一里野まで結構距離があった。

信州の山遊び