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南アルプス 兎岳

日時: 5月2日〜3日
参加者: 7人
所属山岳会の春山合宿で、南ア・兎岳に登りました。残雪の山行は何処になるのかと楽しみでしたが、南ア・兎岳とは、渋いです。参加者は男性4人、女性3人の7名という大所帯となりました。新人会員が参加しての、新人訓練山行でもあったので、聖岳を望むこの山に決めたようです。

ベテラン会員が数十年前に登った時は、林道終点近くまで車で入り、直ぐに登る事が出来た為、兎岳直下の兎平でテントを張り、大沢岳まで縦走出来たそうですが、今回は林道の様子が分からない為に、兎岳に登り、あわよくば大沢岳まで行くという、臨機応変の計画でした。

皆の期待むなしく、ロックシェイドの先が崩れていたので車を降り、3時間半の長〜い林道歩きから始まりましたが、兎岳に登るという期待と、歩きながらも会話が弾んだので、苦にはなりませんでした。

やっと登山口に着き、壊れかけたような梯子を上り、急登に次ぐ急登で笠松稜線を目指します。稜線に出ると、尾根は広く緩やかな登りでしたが、2100m過ぎ頃には尾根が徐々に細くなり、アイゼンを付けるようにとリーダー指示が出ました。

倒木が多く跨いだり潜ったりと忙しい。目印のテープが所々にあるのですが、分かりづらくてピンクのテープを付けながら進みます。2,400m位の所がテント場になりました。7時半に歩き始めて15時半。早速、6人用と3人用の二張りのテントを張ります。

リーダーは翌日の為に下見に行きました。テント山行が久々だった私はヘロヘロなのに、リーダーとは凄いものです。若手新人も元気いっぱいで、皆で整地をしてテントを張り終え、リーダーを迎えました。テント場の樹林の間から、大きく見える山が兎岳と思っていたのですが、登り終えた稜線の先に兎岳はあるのでした。

早速、翌日分までの水作りをしてから夕食になりました。食事の係りは海外の山々も登って来た、超ベテランの男性Hさん。私は、山行をご一緒するのは初めてでしたが、鍋奉行で有名な方です。「すき焼き風うどん煮込み」と言うことでしたが、取り出す食材に驚きました。和牛肉4パック、白菜まるごと、うどん6袋にシラタキの袋、サラダ用のレタス丸ごと、ハム、特性ドレッシングにお漬物丸ごと!スーパーで買った袋のままでした!テント装備に加えてのこの重量です。何事も無いように、ひょうひょうと私の後を歩かれていたのでした。

お腹が空いていたので、皆で大喜びして頂きました。私も、大根や人参、ピーマンの細切りを塩こぶで味付けしたサラダを作って持って行ったのですが、好評でした。

夕食後は、6人用のテントに5人、3人用に2人と別れて休んだので、ゆとりがあってよく眠れました。夜中に上の方ではゴーゴーと風が唸りを上げていましたが、樹林の中のテント場は穏やかです。

翌日、4時起きして、鍋奉行の作る、餅入りラーメン、チャーシューとネギ乗せを頂き朝食を済ませ、今回は兎岳のみ登るとのリーダーからの説明を受けた後に、5時過ぎに兎岳を目指し出発しました。

標高差400mあまりなので、往復3時間半位を見込みます。樹林帯の雪は適度にしまっていたので、潜る事も無く、順調に高度を稼ぎます。ハイマツ帯では展望も開け、右横には聖岳がど〜んと大きく望めて大迫力です。

一登りで兎平に出て、二重山稜となった広くて気持ちの良い稜線歩きを満喫し、緩やかな稜線を辿り兎岳に着きました。途中、聖岳山頂に2人の登山者が見えたので、「オーイ!」と叫んで手を振ります。気がついたでしょうか。

兎岳山頂では360度の展望を楽しみながらの大休憩となりました。あれは塩見岳、この稜線を辿り大沢岳、中アがあれで恵那山があれ、指差しながら、至福の時を過ごします。稜線の風は弱く、寒さも感じられません。

下山では、兎岳の斜面を使って、トラバースでのアイゼン歩行や、滑落停止の練習も行いました。

テント場に戻り、テントを撤収してから下山です。楽しかった合宿は、あっという間に過ぎたのでした。が、やっぱり登山口に着いてからの林道歩きは流石にキツイ。山ではあれほど強い方達も、足の裏が痛いと嘆いていました。唯一、林道脇に流れ出ている水が冷たくて、乾いた喉を潤す事ができたのが救いでした。そして、両日お天気に恵まれ、仲間達と素晴らしい体験を共有できた事に感謝です。


兎平


聖岳をバックに登る

信州の山遊び