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北アルプス 燕岳

日時:12月31日〜1月2日
参加者: 2人
正月山行は北アルプス・燕岳にする。31日に自宅を4時に出発し、穂高の宮城ゲート近くに駐車。そこから12kの林道を中房温泉まで歩く。アスファルトの上に薄く雪が乗っている状態だ。滑らないように気をつけて歩くので疲れた。

中房温泉で一息入れて、此処から登山道へ。初日は合戦尾根でテント泊の予定である。中房温泉から燕山荘までの中間地点でテントを張ることにしたが、お昼を過ぎたばかりで時間はたっぷりとある。ニュースの予報とは違い、天気も良くて登山者が何組も登り下りしている。雪を集めて水を作った後、3時過ぎから宴会となった。

お節料理に気分もほぐれた頃「すみませんが、テントに入れてくれませんか」と人の声がする。話を聞くと、テントを持った仲間が先に行ってしまい、逸れてしまったので、我々のテントに泊めて欲しいとの事。そう言われても、テント内には冬用の装備を入れている為2人でも窮屈なくらいである。テントを持っていないのなら中房温泉まで下りる様に勧めたが、下山する余力がないのか、動こうとしない。とうとう我々のツェルトを貸すことになり、張るのも手伝い、ライターも持っていないとの事で貸したりしているうちに、すっかり宴会気分は飛んでしまった。

ツェルトの男性は寝てしまったらしく鼾が聞こえてくる。呆れていると、名前を呼びながら仲間の方が下りて来た。我々も一安心したのだが、その男性は仲間の方が張ったテント場へは行かず、此処で寝ると言い張っている。具合が悪いようなら、自分がツェルトで寝るからテントに入りなさいとHが助言。仲間の方は恐縮していたが、結局男性はツェルトで寝ることになった。

夜は何もかもが凍りつく寒さだ。テント内もキラキラと氷が張り付いている。私は、男性が凍死するのではないかと心配で なかなか眠れなかった。

一夜明けて1月元旦。気合を入れて、餅入り雑煮の朝食を済ませた。出発したいが、男性は起きて来ない。我々の出発は6時だから、ツェルトや張り綱に使った細引きを6時には返して欲しいと話してあったのだ。仕方なく起こしに行って、やっと返してもらい、時刻を過ぎて出発する。

我々が出発した後に、テントで休憩させて欲しいとの申し出に、出入り口の戸締りをしっかりするように言い置いた。

合戦尾根は急登だ。息を弾ませて登る。今日は曇天に時折雪混じりのお天気で展望は無い。夏にスイカを頬張った合戦小屋は雪に埋もれていた。

此処にもテントが数張り有った。快調にどんどん高度を稼ぎ、幾つものピークを過ぎる。夏道と違い、尾根伝いの冬道には赤旗が立てられ、トレースもしっかり付いている。時折うっすらとした日が差して、東鎌尾根や「燕山荘」が見えた。もう少しと思った頃、キラキラと光るダイヤモンドダストを見る。

最後の急登を登り終え「燕山荘」に着くと、稜線には風が強く吹いていた。目出帽を被っていても頬が痛くなる風の冷たさだ。 直ぐに燕岳を目指し、山頂で写真を撮って引き返す。「燕山荘」でホットミルクティーを飲んで一休みする。「燕山荘」では丁度餅つきを始める所で、雪が舞い散る中の餅つきを、泊り客の方々に混じって見物した。

下山はあっという間だ。樹林の霧氷を写真に撮ったりしながらも、直ぐにテント場に到着。すると、テントは外張りも中も入口は開け放たれていて、雪が吹き込んでいるではないか。呆れてしまったが、雪を掻き出した後テントに入る。

駐車場まで下山できる時間はあったが、正月山行なのでゆっくりと山を楽しむことにした。ゆっくりと夕飯を済ませ、5時にはシュラフに潜り込む。強風がテントを激しく揺さぶっていたが、夜半に起きて外に出ると、穂高の町の明かりが見えていた。

翌朝、コーヒーを飲んで寛ぎ、のんびりと朝食を済ませてテント場を後にする。中房温泉までは1時間で下りたが、それからが長い林道歩きだ。今回の山行の一番の難所はこの林道であった。凍った路面はスケート場状態で、足に力を入れて慎重に歩く。少し不愉快な出来事もあったが、のんびりとした良い正月山行であった。


林道歩き


合戦小屋


稜線にて


餅つき見学


下山
信州の山遊び