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北鎌尾根~槍ヶ岳

日時: 9月9日~11日
参加者: 2人
コースタイム
9日 快晴
中房温泉(5:05)~第二ベンチ(6:00)~富士見ベンチ(7:05)~合戦小屋(7:35)~燕山荘(8:40)~大天井ヒュッテ(11:45~12:00)~貧乏沢下降点(12:20)~天上沢(14:45)~北鎌沢出合(15:10)テント泊
10日 快晴
テンバ(5:20)~北鎌尾根稜線(7:45)~P8?(8:45)~独標基部(9:55)~独標(10:45)~槍ヶ岳頂上(16:10)肩の小屋でテント泊
11日 快晴
テンバ(6:40)~槍沢大曲・水俣乗越登り口(8:15)~槍沢ロッジ(9:00)~横尾(10:15)~徳沢(11:10)~明神(12:00)~バスターミナル(12:40)

北鎌尾根。厳冬期は、スペシャリストだけの世界だが、無積雪期には快適なバリエーションルートとなる。好天が見込まれた為、快適なバリエーションルートを楽しむ事にした。  

初日は北鎌沢の出合までだ。合戦小屋のスイカもお腹に納め、体が良く動くので、休憩時間の必要を感じないほどのハイペースで大天荘ヒュッテに到着した。

明日北鎌を目指すと言う女性2人と、貧乏沢入口まで一緒になる。明日一日で北鎌尾根を抜けるので、その下見だとの事だった。

貧乏沢の下降はガレた石を落とさないように注意しながら、踏み後を辿ってどんどん高度を下げていく。もう直ぐ天上沢の出合に着くという所で熊に遭遇した。慌てた熊が沢を横切って茂みに逃げ込み、ホッと胸を撫で下ろす。

天上沢は、思っていた以上に水量はあったが、10分もすると伏流になる。テント場の広河原には水が無く、北鎌沢出合でテントを設営し、Hが水を汲みに戻る。積雪期の北鎌尾根しか知らないHは、水が無いとは思わなかったようだ。

我々が出会いに着いた時、1張りだけだったテント場が、最終的には6張りのテント村となった。  

翌朝、薄暗い中をヘッドランプで出発するパーティもあったが、我々は明るくなるのを待って出発した。

天気は快晴。北鎌沢右俣を登ると、先行者の姿を捉えた。どんどんと高度を稼ぎ順調に北鎌のコル着く。いよいよこれからが本番のバリエーションルートとなる。

小休止して出発。北鎌尾根はルートファインディングが重要だ。高度感の有る痩せた尾根、ザラザラの砂地のトラバース、緊張を強いられる場所の連続だ。踏み後も幾通りもある。岩峰は巻いたり登ったりして通過する。途中途中で他のパーティの姿がちらちら見えるのは、何か心強くホッとするものがある。

目の前に槍が大きく立ちはだかり、その足元に辿り着いたときは、いよいよ最後のクライマックスだと心を引き締めた。Hがリードして登りそれに続く。30メートルザイルで3ピッチ。最後のピッチはそのまま登ると祠の後ろに出た。

頂上にいた登山者の皆さんに拍手で迎えられて「北鎌尾根」は終わった。山荘でテントを張り終えてのビールは、格別の味だった。  

最終日も天気は快晴。ゆっくりと朝食を取りテンバを後にする。もう槍沢には雪は無く、ななかまどが赤い実をつけていた。後ろを振り返ると、昨日は大きく冷たく感じれた槍が、小さく可愛く見えていた。










信州の山遊び